行動記録
3月14日(木)
雪上訓練1日目。まずは雪訓の場所さがしから始まった。広くて、理想的な斜面がなかなか見当たらず少し緩やかな斜面でやることにした。はじめにスタンデイングアックスビレイをやったが、斜面が急でないため思うように滑落できず、制動のかけ方までできなかったのは残念だった。つぎに場所を変えてコンテをやった。実際やってみてパートナーが滑落したときにうまく止めきれればいいが、最悪の場合2人とも滑落してしまうのは怖いと感じた。また危険な場所ではザイルに気をとられすぎて足元の集中力を欠かさないことが大事だと思った。
そしてテントにもどり、あとはラジオを聞くなり、雑誌を読むなり、好き勝手に時間をすごした。(塩谷)
3月15日(金)
朝から風が強く、視界もあまりよくなかったのでテントの中で待機する。しばらくたつと天候もよくなってきたので雪洞をほり始めることにした。雪の量があまり多くなかったのでたいしたものができそうになかったが、野口さんの健闘で終わってみれば4人が余裕で入れる空間ができた。埋没体験もやってみたが想像をはるかに超えていて、もう絶対に埋まりたくないと思った。怒りさえ思えた。
そしてまだ時間もたっぷりあったのでコンテの練習をした。前の日あやふやだったところが確認できてやってよかった。(塩谷)
3月16日(土)
(6:05)BC発−(8:55)地蔵の頭−(9:55)赤岳頂上−(13:40)BC着−(18:00)就寝
今日は赤岳のアタックの日だった。寿男は体調がよくないということでテントキーパーとなり、ゴーシ君と真人と私の3人で行くことになった。稜線では体がよろける程風が強かった。ゴーシ君・真人にとってはどうでもいい所でも、私にとっては怖かった。しかしザイルでアンザイレンするだけで安心して行けるところが恐ろしい。1ヶ所3〜4m程のナイフリッジの平均台があった。ゴーシ君とアンザイレンしていたため、ゴーシ君がトコトコと平均台を渡っていったのでザイルに引っ張られ、何の心の準備もしないまま、平均台につっこんでいった。はっきり言って怖いと思うヒマもなく突破してしまった。ナイフリッジの渡り方は去年の春、香川さんに教わっていたが、使うヒマもなかった。2人はどうだか分からないが、私にとっては楽しくてデカい1日だった。帰ると、テントキーパの寿男がシュラフを干しててくれた。有難かった。
3月17日
(4:25)起床−(6:00)阿弥陀岳アタック隊発−(7:00)BC発−(8:15)赤岳山荘着−9:25美濃戸口着
今日は寿男と私は下山する。阿弥陀岳に行く真人とゴーシ君を見送って、パッキングをして下山した。ひたすら下った。ちょっと頑張ったせいか、1時間ちょっとで赤岳山荘に着いた。そこから、林道は嫌いなのでダラダラしながら下った。ダラダラしたせいか、思いっきりスッころんだ。終始2人とも無言だった。
3月17日
(4:20)起床−(6:00)出発−(7:20)中岳−(8:10)阿弥陀岳−(10:00)中岳−(11:00)テント場
文三郎尾根はずっと登り、所々急でふくらはぎに乳酸がたまる。一箇所岩をまくところで緊張した。中岳・阿弥陀岳のコルと中岳の間に小さな雪庇ができていたので斜面をトラバースする。阿弥陀岳の登りは急でまたまたふくらはぎが・・・。天気がよく頂上からの眺めはかなりよかった。阿弥陀岳の下りはザイルを2ピッチだす。スタンディングアックスビレーをしたがセットするのに時間がかかってしまった。その後はきた道を順調にかえっていった。テントの中でのんびりしていたら事故がおきヘリがくるので急いでテントを撤収し雪洞しほうりこむ。一段落し再びテントをたて明日のことを話して寝た。
3月18日
3:00起床−4:00朝寝−6:00起床−8:00出発−9:40赤岳山荘−10:30八ヶ岳山荘
硫黄岳にいくつもりだったが帰ることにしたので朝寝をして出発。ひたすら下る。赤岳山荘から八ヶ岳山荘が思ったより時間がかかった。荷物が重かった。
雑感
教育学部 社会専修 3年 渡辺剛士
冬の反省を受けて、キッチリと勉強会、トレーニングとやってきて、見参した八ヶ岳であったが、週末テント代取られたり、小屋の屋根からしたたり落ちてくる水のおかげで水づくりしなくてよかったりと、隔絶感あふれる蓮華東尾根とはえらい違いだった。ザイルワーク等、いろいろトレーニングしたが、コンテは信頼ならんと思った。ヘタなコンテするぐらいならノーザイルのちがマシである。スノーアンカーを実戦で使うのは初めてだったが、なかなか面白かった。雪洞も掘れたし、いいトレーニングになった。でもバリエーションやらないと充実感ないなー。次来たらやろう。あるいは権現から縦走とか。まあ、いいゲレンデでした。
法文学部 経済情報学科 3年 野口みほ子
今回は男3人女1人、いつもの事ながら、女1人はハッキリ言ってやりにくかった。でも、漢たちと行く山行は刺激があって面白い。技術的にも下ネタ的にも新しく得る知識が多いからだ。ゴーシ君の下ネタはヒドいものだった。でも、おかげですごく楽しかった。あと、真人と個人的に行く山としては、真人が1年の時の夏の2次合宿、南アルプス縦走以来だと思うが、私が足をひっぱる程のすごい成長ぶりで、うれしい半面くやしかった。
ゴーシ君は、やっぱりたのもしく、私は頼ってばかりいた。ゴーシ君、ごめんね。赤岳のピークは2人のおかげでとれたと言っても過言ではないと思う。寿男は体調を崩して残念だったけど、まだまだ行く機会はたくさんあると思う。それと、シュラフを干しててくれたのは、本当に助かったし、うれしかった。
全体的に、私用で下山が早まったけれど、短い期間の中で得たものは多々あると思う。上級生であるにも関わらず皆に迷惑ばかりかけたけど、とても楽しいものでした。次に一緒に行く時には心臓をもっと強くしとこう。雪に対しての斜面過度の怖がりであることを再確認しました。
最後に、雪の八ヶ岳はちゃんと技術を持った人と一緒なら女性でも行ける山域です。雪山に興味がある、もしくはヤル気のある女性は是非とも行ってほしいなぁ。
理学部 生命科学化 2年 竹之内真人
定着型の雪山もラッセルのない雪山もはじめてで、かなり違和感があったし満足感もなかった。人多かったし。まあおもいろかったからいいか。雪訓はよかった。次に八ヶ岳にくるときはバリエーションを登りたいな。
農学部 生物環境学科 2年 塩谷寿男
八ヶ岳は一度行ってみたいと思っていてけっこう楽しみにしていました。途中で傷の痛みがあり途中下山をしたのは、かなりくやしくみんなにも迷惑をかけたと思っています。でもはじめてまともに雪訓ができたし参加してよかったです。
|