2.霧島高千穂峰(1574m)

高千穂河原 霧島神宮上宮 登山道 登山道 ガレ場
御鉢 中岳 御鉢 御鉢 御鉢
山頂を望む 山頂を望む 御鉢と本峰の鞍部 最後の登り 高千穂峰山頂
山頂 御鉢 韓国岳を望む 下山路 御池から高千穂峰
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霧島山概念

 霧島山は、韓国岳、高千穂峰、中岳、新燃岳、獅子戸岳、大浪池など大小20を超える様々な形態の火山が連なった複合火山である。火口が15、火口湖が10現存している。航空写真を見るとクレーターのように円形の火口や火口湖が口を空けていることが分かる。最高峰は韓国岳で標高1700mである。硫黄山、新燃岳、御鉢は今も活動を続けてる。

高千穂峰概念

 標高1574mの高さをもつ成層火山(コニーデ)である。中腹には御鉢と呼ばれる火口があり、今も小規模な活動をしている。御鉢と二子岩を従えた山容は秀麗である。麓の町からも望まれ、遠くは鹿児島市の高台からでもその秀麗な山容を望むことができる。
 

登山コース概要

 高千穂峰を登るコースとしては、高千穂河原から登るコースと反対側の御池から辿るコースの2コースが考えられる。高千穂河原からのコースの方が圧倒的に楽なため、人気がある。
 ここでは最も一般的な高千穂河原からのルートを説明しよう。
 入山地点の高千穂河原は標高970m。大きな駐車場とビジターセンターなどの建物がある。この大きな駐車場もミヤマキリシマの季節は、満杯になる。最初のうちは登山ルートと自然観察路が入り混じって分かりづらい。看板のルート図を確認しておこう。間違うと遠回りをする。
 霧島神宮上宮へ行く道を辿っていくと鳥居があり広場になっている。ここが霧島神宮上宮である。昔はここに霧島神宮本宮があったが、御鉢の爆発により焼失したため下の(現在の)霧島神宮へ移された。道は右へ直角に折れる。アカマツの林の中を登ると自然観察路が正面から合流し、高千穂峰へは左の道へ行く。標識が左手にある。しばらくは石畳の道が続く。
 石畳が途切れ、赤くガレた道を進むと視界が開ける。前方に赤くガレた広い斜面が広がる。夏場ならば樹林の途切れる前に木陰で休憩しておきたい。これから先は全く樹林はない。広い斜面にジグザグに道がつけられている。小石が詰まっている所は滑り易いのでなるべくしっかりした溶岩を選んで足を置くとよい。しかし楽に歩くにはコツがいる。アリ地獄のように滑りやすい小石のガレは焦るれば焦るほど滑って体力を消耗する。軽アイゼンを使うと滑らないようだ。たまにアイゼンを付けている登山者を見かける。ガレ場を登り詰めると御鉢と呼ばれる火口の縁に出る。景色がよくなるのでここで一息入れよう。
 火口の縁を3分の1周する。風が強い日は注意しよう。風がよく通り抜けるような場所なので飛ばされないように注意して歩こう。御鉢から一度平らなコルに下りる。
 ここからが最後の登りだ。御鉢の登りより石が細かく足元が滑りやすく苦労する。自然落石も起こるので上部には注意しよう。2年ぐらい前から階段がつけられたが、登山道の痛みが激しく以前より登りにくくなっている。頂上の日の丸の旗が見えてきたらまもなく頂上だ。
 頂上の展望はとてもよく霧島の山々、九州山地、桜島などが見える。眼下には都城や小林の町も見える。
 この地は古くから「古事記」の天孫降臨の地として、頂上にはニニギノミコトが立てたと言われる「天の逆鉾」の伝説がある。
 下山路は来た道を戻るが、最初からガレ場で足場が不安定なので注意しよう。混雑しているときは落石をしないように注意しよう。

コースタイム

【往路】高千穂河原→高千穂峰(2時間30分) 【復路】高千穂峰→高千穂河原(1時間40分)
コースタイムはあくまでも目安です。体力、天候、装備によって2倍以上の時間を要することがあります。十分注意してください。

取材日2000年11月26日
取材協力 N.Fujio&M.Takenouchi
写真および文章 M.Nishimura