山行名 | 夏山個人山行 北アルプス蓮華岳・針ノ木岳 |
山域名 |
北アルプス蓮華岳・針ノ木岳 |
山行日 | 2001年9月14日、15日 |
メンバー | 香川浩士(4) |
行動記録 9月14日(金) 晴れ 信濃大町発(6:30)−蓮華岳東尾根末端(7:30)−扇沢(10:00)−針ノ木岳(14:50)−蓮華岳(17:00)−ビバーク地点(17:30) 毎年、剣から眺めていて、「カッコいいなあ・・・」と思っていた山があった。針ノ木岳だ。今回、4年目にして、その山に登ることにした。 冬に来ることも考えられるので、蓮華の東尾根をヤブこぎする予定で行くも、前日に通りすぎた台風による川の増水に、渡渉できず、結局扇沢から、ノーマルルートで行くことにする。扇沢までの車道歩きは、長かったなあ・・・。扇沢を過ぎて登山道へ。静かな道である。大沢小屋の主人と話す。この冬に遭難した、東京農大の話が出る。小屋から、針ノ木峠への道は、一般道としては、かなりワイルドだ。針ノ木雪渓も、ずたずたになっていた。針ノ木峠についたときは、大きな充実感に包まれた。 針ノ木峠からの針ノ木岳は、登ってみるとあっけなく、むしろ、かえりみる蓮華岳のほうが、美しく、立派であった。しかし、冬になると面白いだろう。 針ノ木岳から、剣、立山を望む。独特の雰囲気をもって、非常にカッコいい。この夏、仲間といった八ツ峰が、まさに空を切り取っている・・・。 日が暮れてきたので、先を急ぐ。針ノ木峠から蓮華のピークへは、のっぺりとして意外と距離があり、冬には、かなりいやなところになるだろう。ここから、長大な蓮華の東尾根を下りだすが、日が暮れていたので、稜線上の、なんとなくハイ松に守られたようになっているところで、ツェルトにくるまってビバーク。夜、後立山の稜線上にある小屋たちの明かりが瞬き、うっとりするほどきれいだった。 9月15日(木) 晴れのち曇り 起床(6:30)−出発(8:30)−蓮華岳東尾根末端(17:00) 美しい朝日が後立山連峰を浮かび上がらせる中、目覚める。ツェルトで寝た朝は、外で飯を作り、食うことになるので、晴れていたらとても気持ちいいのである。出発前に、大量のくそをする。扇沢をはさんだ対岸の稜線には、種池山荘がばっちり見える。双眼鏡で見られていないか心配する。それにしても、ホント大量のくそが出た。 出発。東尾根をどんどん下る。やがて尾根はヤブに覆われてきた。上部のヤブはすごく密で、冬、どれだけ雪がこのやぶを埋め尽くしてくれるのか、と思う。激しいヤブに苦戦し、下りだが、スピードは上がらない。下部では、完全に樹林帯の中のヤブになり、前方の視界も奪われる。疲れてきたこともあり、いつのまにか、支尾根に迷い込んでしまう。やがて、支沢に出て下りだすが、このまま下るとやばいと思い、また尾根に戻る。そこでタバコを吸い、心を落ち着け、地図で、現在地の予想をする。藪の隙間から見える周囲の景色と地図を見比べ、予想すると、このまま支尾根を下っていくと、『黒沢』というこのあたりの支沢を集める大きめの沢に出る。この沢は、下降不能の滝が出てくる可能性があるので下れない。さらに地図の等高線を詳しく読むと、この黒沢に出る手前の高度にして50メートル手前に、比較的傾斜がゆるくなっている部分が帯状に続いており、そこをトラバースして、支尾根と支沢を2回ずつ超えていけば、東尾根に戻れそうである。今まで下ってきたルートを戻るのには、あまりに急で、ヤブが激しい。体力も大分落ちている。このトラバースルートにかけるしかない。たった1本のタバコを吸う事で、ここまで落ち着いて考えることができた。 何度も転びながら必死のヤブコギトラバースを続けていくと、やがて、ぼろい赤布のついた東尾根に戻れた。あとは、急な下りを下って、川を渡渉し、車道に出た。ヒッチハイクをしたら、松本まで乗せていってくれた。もはや住み慣れた、信大の部室にきて、数時間前、道迷いであせっていたことが、うそのように感じられた。 反省 教育学部4年 香川浩士 ・ ルートをはずしたときずいた際、元に戻るのがいちばんのとるべき方法だった。 ・ 沢を下り始めながら、途中で尾根に戻ったのはよかった。 ・ ピンチのとき、タバコを吸うと、落ち着けてよい。 雑感 針ノ木岳に登れてよかった。あと、信州大学山岳部の川合さん、ワイナリーにつれていってもらい、ありがとうございました。いい思い出となりました。あと、蓮華岳は、非常に美しかった。もう、紅葉が始まる、夏の終わりの山行だった。 |
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