屋久島 黒味川
メンバー:竹之内真人(4年)松田香樹(2年)
山域:屋久島黒味川メンガクボ
期間:2003年10月4日〜10月7日

10月4日晴れ
部室発(7:30)〜鹿児島港発(8:35)〜宮之浦港着(12:30)〜13:00発のバス〜栗生橋着(14:30)〜入渓(15:00)〜ビバークポイント(150m付近)(16:30)
ごーしさんと山田さんに見送られつつ出発。栗生までボケーと過ごす。バス停から歩くこと15分くらいで橋がかかっておりそこから入渓する。砂防ダムを越えると馬鹿でかいうなぎを発見。とっ捕まえて食いたかったが無理だった。時々泳ぎながらどんどん進む。ザックがでかくて泳ぎのときは半分おぼれていた。適当なところでビバーク。

10月5日晴れ
起床(5:00)〜出発(6:00)〜1203mに上がる支流の出合(6:30)〜F6手前(7:30)〜沢が北西を向いているところ(430m付近)(10:00)〜ケヅメの巻き終了(520m付近)(12:30)〜七五沢出合(14:30)〜ビバーク(F20手前)(15:30)
 出発してしばらくすると左から支流が入る。軌道跡らへんでハーネスをはめる。F6とF7とF8は右岸から巻きルンゼを下り沢に戻るが微妙にいけそうでいけないので先ほど下ったルンゼを登り返し再び右岸の藪こいでいるとすぐルンゼがあった。そのルンゼを下り沢に戻る。すこしすすむと岩がでかくてのっこせなくなる。左岸のスラブと巨岩の間を両手両足でつっぱって行ったが幅が広くどうにもならず。また下ってきたルンゼを登り返す。2歩進んで1歩さがる。畜生。今度こそはと、沢に戻り前進すると2mくらいの滝がありその先は左に屈曲しており先は見えない。滝が登れずまた戻らないといけないのかと思ったが右岸にルンゼがあり戻らずにすむ。そのルンゼを登っていると尾根を越える。懸垂で沢に戻ると沢は南東から北東に向きを変えていた。沢に下りたはいいが8mの滝が待ち構えている。こんどは左岸を巻く。高く巻きすぎて沢と縁がなくなる。何とか沢に戻ろう急な藪を下るが危ないので懸垂交え沢(430m付近)に戻る。沢は北西に向きを変えていた。えらい高く巻いてしまった。強引に沢に戻ったはいいが先に滝の音がし、沢が右に屈曲している。左岸は50mくらいの岩壁をなしている。ややここは部報に載っていた香川さんが偵察に泳いでいったというところか。西村さんたちと同じように右岸を巻く。沢が北から南東に屈曲しているところあったのルンゼを下り沢に戻る。沢がくねくねしているので現在地がすぐわかる。ここからしばらくはショルダーなどを駆使しゴーロの沢を進む。沢が右へ左へ屈曲し両岸は30mのゴルジュになった。奥で滝の音がする。松が泳いで偵察に行く。荷物を置いていけばいいのに。ぺけのサインが出る。右岸のルンゼを登り捲く。なるだけ沢を見てみようとルンゼを外れ藪をトラバース。下は見えないし藪は急。しょうがないから藪を直登し尾根まで上がる。あれ?軌道跡はどこだったのだろう。木を引っ掴み強引に下り沢に戻る。途中七五岳の北壁が見えた。520m付近に降り立ったようだ。またまた大きく巻きすぎた。
ケヅメが終了し景色がよかったので一休み。それからどんどん進む。軌道跡を過ぎると右から支流が入っていた。軌道跡の前に1447mに上がるでかい支流が左からくるはずなのに見落としていたようだ。それからしばらくいくと七五沢出合に到着。七五沢もでかいと思っていたが水が意外に少ない。相当水の量が少ない時期にきたようだ。巨岩の間を縫いながら進み途中二回ほど左岸を捲く。F20手前の右岸でビバーク。2人ともへとへとだった。
*文中の滝の番号(F6など)は『屋久島の山岳』中の黒味川モチヤマ谷の遡行図のものと対応しています。

10月6日晴れ
起床(5:00)〜出発(6:10)〜メンガクボ出合(6:30)〜林道(8:00)〜栗生歩道(12:30)〜淀川小屋(15:30)
 ビバーク地点からそのまま右岸を巻き沢に戻る。20分くらいで15mの滝(F22)の手前にメンガクボが出会う。ショベルカーがほんとに転がっていた。沢は急になり高度はどんどん上がる。遡行図どおりにF1を右からのぼりF2を左岸の岩を少し登り沢に戻る。F3も登れそうにない。左岸の巻きの草つきでザイルを出す。急なうえ枯れ木が倒れている。枯れ木を落とそうしたが自分も巻き込まれて落ちそうだ。しょうがないからまたいでいく。藪をこぎナメラの滝の手前に下りる。左岸の崩壊したガレ地を登り林道に出る。
 砂防ダムを巻くと急峻なゴーロの谷になっていた。2段の滝(F6)を左岸から捲く。このあたりから遡行図上での現在地はよくわからなくなったが2万5千分の1の地図では確認できた。登れるところ見つけながらゴーロ中を右に行ったり左に行ったりしながら進む。滝も何個か越えた。ゴーロの下に水の音がするが見えないところがあった。変わった伏流だなと思う。1度巨岩に追いやられ右岸を捲く。2人の動きにキレがなくなってきたころ沢の傾斜が緩くなった。相変わらずのゴーロだったが沢伝いにいけなくなり右岸を捲く。沢に戻るとナメラになっていた。ナメラは期待していたのとは少々違っていてナメラのうえに砂がかぶっていた。それでもこけが生えていてきれいだ。チロチロと心和ませる清流の中をバシャバシャと下品な音を立てながら進む。三本右から支流がきていた。それをすぎちょっとしたゴーロをこえると沢は北西に向きを変えていた。あれっ北西?と思い地図を見る。3本目の支流がデーターロー岩屋に向かう沢だった。思ったよりぜんぜん早い。2〜3分で戻れるところだったがそのまま直進。どこに突き上げようかいろいろ考えたが結局なるだけ沢を行ってから行きやすそうなところを行くことにする。沢はグネグネ曲がり支流も何本か入ってきたが一番でかい沢を行く。倒木がうっとうしい。沢は北東から北西に向きを変えていたので1540m付近だなとあたりをつけうっすら尾根っぽいところに上がり北西方向に進み栗生歩道に出る。湯泊歩道を下るつもりだったが2人とも明日中に帰りたかったので淀川小屋を目指す。あとは歩きやすい歩道をひたすら歩く。
*文中のF22は『屋久島の山岳』中の黒味川モチヤマ谷、それ以降はメンガクボの遡行図のものと対応しています。

10月7日雨
フェリーで鹿児島に帰る。


雑感
理学部 四年 竹之内真人
 屋久島沢デビューをようやく果たせた。松は狭いところを登るのが得意だ。体のあらゆる所の摩擦を使いじりじり上がっていく。真似できずシュリンゲで引っ張ってもらったときもあった。やるな。でもひざを着いて登っていることもあった。怪我の原因になるので控えめに。あと倒木や藪ともっと仲良くしていきましょう。
 ケヅメのごっついゴルジュのところは高巻きし過ぎてようわからなかった。でも完全遡行するなら水量の少ないの今ごろしかないなと思う。全体的にスケールがでかくてちょっとどきどきした。読図もうまくいっていたし足並みも揃っておりなかなかうまくいった山行だった。小楊子にも行きたいな。
反省は高巻きと鉛筆を忘れたくらいかな。三穂野先生に今度黒味に行くので遡行図は書けるかと聞かれたときどうしようと思ったが記録をなるだけ詳しく書いた(つもり)ので勘弁してください。

教育学部 養護学校教員養成課程 2年 松田香樹
今回の屋久島沢合宿は、今年の夏合宿の中で1番満足のいくものでとても楽しかった。

今回の反省
@ルートファインディングがなってなかった。ケヅメの巻きで3回も懸垂下降をする事になる。
A荷物の軽量化のために肉を持っていかなかった事。脂分のないハヤシはとてもじゃないが食えたものではない。
B気力。昼の3時になると空腹からあまり動きたくなくなってくる。