2002年度 冬山合宿(五竜岳・遠見尾根)

期間:2002年12月27日〜2003年1月1日
メンバー:CL竹之内真人(3) SL塩谷寿男(3) 渡嘉敷唯史(2) 松田香樹(1)

12月25日(水)(移動日)
他の部員に見送られ、13:35の列車で西駅をたつ。都城の乗換えで、全員寝ていたため、危うく乗り遅れそうになる。大阪行きのフェリーでは、差し入れのケーキで塩谷さんの誕生日を祝う。その後おのおの年賀状を書いていた。真人さんは生まれて初めて書くそうである。まったく・・・。船はものすごいゆれである。(松田)

12月26日(木) 
朝。大阪南港に着く。いつもと変わらない風景で相変わらず都会の人はいそがしそうに歩いている。いかにも迷惑な荷物を背負って人と人との間をくぐりぬける。列車での食べ物をある程度調達して移動中は食うか寝るかまたは人間観察をしてそのときを楽しむ。山へ向けての移動はそれほど退屈でもない。なにかしらしている気もする。その後神城駅では泊まることを許されず、結局スキー場の仮眠室らしいところで一泊する。かなり快適だった。(塩谷)

12月27日(金)
(6:00)起床−(8:00)出発−(12:00)テレキャビン頂上駅
8時にスキー場が拓くのでそれにあわせて準備をする。人がどんどんふえてきた。香川さんに見送られながら出発したころにはスキーヤーが蟻んこのようだった。リフトを使わず端のほうをとぼとぼ歩く。1時間もしないうちに風が強くなってきた。更に歩いているとどんどん天候が悪化して人もいなくなってきた。トカが1回滑落。視界も悪くなったが圧雪したところをたどっていくとリフトの終着点の小屋についた。そこでスキー場のパトロール隊の人に地蔵の頭は風速4〜50mなのでいったんテレキャビン頂上駅に行ってみたらとアドバイスをもらったのでそうすることにした。駅の中でくつろいでいたが天気が回復しそうになかったので駅の下にテントをはらしてもらう。

12月28日(土)(快晴のち風強し)
(5:00)起床−(7:30)出発−(8:30)地蔵の頭、着−(12:30)中遠見山、着−(15:00)大遠見山手前(テン場)、着−(19:00)就寝
リフト終了地点から地蔵の頭までの登りは歩きにくい。地蔵の頭からは雪の量が増えてきたので、ワカンを履いて行動する。初ラッセルを経験したがなかなか上手くいかん。少し進むと10人程の先行パーティがいた。その日の予定として、大遠見山までは行きたかったので、小遠見山付近で今日使わんだろうという装備をデポした。この日は天気に恵まれ、気持ちよく行動した(かなり疲れたけど・・・)。テン場に着いてからは初のスノーブロック作りをしたが、スノーブロックは大事だと思いながら、早くテントに入りたかった。その日は次第に風が強くなってきたので、除雪を11:00と14:00に行った。そん時思ったけど、シュラフからいったん出ると一気に体が冷える。だから夜中に小便に行きたくなる時はどうも困る。(渡嘉敷)

12月29日(日)
(4:30)起床−(6:50)出発−(9:00)小遠見(9:10)−(10:30)帰幕−(14:30)雪洞−(17:00)避難
昨夜は、降雪がひどく、11時、2時に除雪をするも4時半に起きるとテントの風上側が埋没しポールが折れていた。デポ回収に出発する前に松田がアイゼンを無くしたと一騒動をおこすも本人の勘違い。出発すると、昨日のトレースは見事に埋められ再びラッセル。小遠見のデポ地に着きデポ品を回収して戻ろうとすると、つい先程つけたトレースが強風と雪でもう埋まりかけていた。テントに戻った後雪洞を掘ることになる。雪洞を掘り終えた後、中に入ると寒い、とにかく寒い。トカさん、思考停止。その上天井が、予想外のスピードで下がってくる。そのため、テントを張り直し就寝。(松田)

12月30日(月)
(3:00)起床−(5:30)出発−(9:30)西遠見山
前日の風雪も朝起きたらうそのように晴れていた。もちろんこの日もトレースはなく自分たちでつける。天気がいいとラッセルの快調さも全然違い相当気持ちがいい。西遠見には時間的にも早くついたがここでテントを張ることにする。少々休憩して、防風壁をつくっている途中から天気がくずれはじめ強風の中防風壁、テント設営を行う。もう最低だった。しかし一旦テントの中に入ると外とは大違いでありその有り難さが身にしみた。それからラジオと天気図から判断すると、31日、1日は天気がよくないことがわかり、アタックということもあり翌日は沈殿に決定する。(塩谷)

12月31日(火)(晴れ、視界悪) 沈殿日
前日の天気図から天気が荒れると考え、今日は各自適当に過ごした。11:00頃腹が減ったという事で飯作りを始めたが、非常識から火傷してしまった。熱かった。あれは今考えても意味分からん行動だった。その日は複数のパーティ(社会人だと思う)が通ったが、限定された時間と自信があったんだと思う。(渡嘉敷)

1月1日(水) アタック及び下山日
(3:00)起床−(5:10)出発−(6:30)五竜山荘―(8:00)山頂―(9:30)五竜山荘−(10:10)帰幕(11:30)−(15:00)地蔵の頭
 起きると、昨日の天気予報では曇りだったが、外は無風快晴のため五竜岳へのアタックが決まる。トカさんは、昨日のやけどのため残念ながら沈となる。出発後、トレースはあるものの、いきなりの白岳の登りはきつかった。五竜山荘に着くと、東の空が白み始める。頂上への登りの途中、一面の雲海からの見事なご来光を眺める。頂上直下の急斜面は、ちびるほどの緊張。頂上からの眺めは、空気が澄んでいたこともあって、最高の眺めだった。下り、山荘に着いたあたりから、松田がとりつかれたように、「下山、下山。」と言い続ける。西遠見に帰幕後、OBの原田さんの知り合いという関西大のOBの方と話す。聞くところによると、小遠見からここまで4時間半で来たとのこと。松田ここで「下山だ、もう下山しかない!!」と言い張る。その後下山開始。塩谷さん、松田の2名が、下山パワーを発揮。しかし、両名とも中遠見の登りでバテる。小遠見ではトカさんが直登しようとするも後続の松田が離反。巻き道を行く。地蔵の頭手前で、松田、走り始める。その後、スキー場を下る。塩谷さんは共装銀マットでそりを楽しむ。松田はここに来て本気滑落。その後、神城駅で下山報告。夜は旅館に泊まる。(松田)

【雑感】
農学部 生物環境学科 3年  塩谷 寿男
冬山の入山日はいつも苦労する。スキー場ははじめてだったため少々期待はしていたもののあまりの風の勢いに負けて、スキーヤーもほとんどおらずひたすら強風との戦いだった。目の前にはゴンドラも見えていているのにその何十倍もの労力をつかって入山したのは今思うとおもしろい。またゴーグルはあったがいいと山行中ずっと思った。目のまわりに凍った雪が付着して痛くてたまらない。一度貸してもらったが快適だったのを覚えている。曇りやすく視界が悪くなるのが問題点なので、曇り止めなんかを有効につかってみたらいいと思った。今回メンバー4人のうち2人が冬山初めてで不安はかなり大きかったが、体力的に2人にそれほど問題ないと思っていた。個人的に左足が完治するのに11月半ばまでかかってしまったためトレーニング開始が遅れてしまいメンバーのみんなには迷惑をかけてしまった。ただトレーニングは人にやらされるより自分からやるほうが気持ちもいいし長続きもする。今回冬山メンバーはよくトレーニングに励んでいたと思うし、これからもこの傾向が続けられたらいい結果がついてくると思った。
理学部 生命化学科3年  竹之内真人
 個装・共装ともに不具合がおおかった。もっと入念にチェックし、大切に扱うべきである。トカの滑落で去年のことを思い出したがスキー場はもともとすべるもんだからまあいいかと気にしてなかったら帰りがけ、松もスキー場で滑落。どうにも気がゆるむらしいがせめてピッケルストップを試みるぐらいしてほしい。来年の夏再び特訓である。小遠見から西遠見までは自分らだけのラッセルで気持ちよかった。帰るときは人がたくさん入ってきてすごいトレースできていてアタックしたその日に下山できてしまった。リフトを使いトレースがついていると2日で終わることもあるのだろうか。西遠見からの鹿島槍や五竜の景色はすごかった。下級生の諸君ははじめての冬山で楽しいことつらいことがわかっただろうからこれに味をしめて春も来るように。今回も大事がなくよかった。細かいことで反省することはいっぱいあるので春に生かしましょう。やっぱCLは緊張するな。

法文学部 法政策学科 2年  渡嘉敷唯史
神城駅に到着した頃は、今まで見た中では最も雪が多く、はしゃいだ。入山してからはそんな気持ちは起きなかった。初めての、スキー場、吹雪、ラッセル、雪洞、眉毛が凍る、雪上うんちなど、冬山でしか味わえない様な事を多く味わった。そんな今回の山行では疲れたというのが一番の感想だ。ラッセルしてもなかなか進まないし、股関節は痛くなるし、夜中に小便したくなるし、無雪期と積雪期の違いをありありと見せられた。アタック日はテントキーパーとして、アタックに行けずに残念な事をしたと思うし、その理由が情けない。そんな中で成長した事を1つ挙げてみると、テント設営がある。整地から組み立てまで自分の役割を見つけていける様になったからだ。あと1つ成長例を挙げるなら、雪上うんちがある。4日目に初めてしたのをきっかけに、最後は紙がなくなり、雪で拭くという所までいったからだ。切なかった・・・やっぱり紙がいい・・・。これからはラッセルなどの成長をしていきたい。

教育学部 養護学校教員課程 1年  松田 香樹
今回、初めて雪山登山をしたが今まで登ってきた山とは違った。一歩一歩雪をかき分け踏みしめるラッセル、風は感じさせないが寒く天井の下がってきた雪洞、眉毛が凍りつく寒さ等は辛かったが、ラッセルを交代し後ろを見た時のトレース、大遠見からの鹿島槍や五竜岳の眺め、五竜へのアタック中に見た一面の雲海から昇る御来光は息を呑む美しさだった。反省点はいろいろとあるが、特に生活技術がなってなかった事だ。物を無くしすぎだ。もっともっと山に行って技術を磨かないといけない。しかし、今回の山行はきつかった事もあったが終わってみればいい想い出だ。今、春山を楽しみにしている自分がいる。真人さん、滑落した時ピッケルストップは試みています。