南アルプス岩登り合宿 期間 2002年8月28日〜9月3日 山域 南アルプス(北岳・甲斐駒ヶ岳周辺) メンバー L:香川浩士(B4) 竹之内真人(B3) 矢内英之(M1) 8月28日 8:00 甲府駅 10:45 出発 10:10 広河原着 15:20 白根御池小屋 バスに乗って甲府駅から広河原まで移動。広河原でしばしのんびりしたあと出発。大樺沢沿いの登山道を歩いていたら道が沢に入り沢を登っていると目の前に道が横断していた。対岸に道があったようだ。帰るとき見るとペンキがあった。途中で荷物が重いという話になり甲斐駒の分の荷物をデポすることになった。それからしばらくすると白根御池小屋についた。途中バイオトイレらしきものがあった。あんなところにおいて使う人いるだろうかと思った。 8月29日 3:00 起床 12:30 登攀終了 4:15 出発 13:10 北岳ピーク 6:00bガリー大滝取り付き 15:00 白根御池小屋 9:00 4尾根取り付き 薄暗い中出発。bガリー大滝まではすんなりこれた。途中朝日に燃える北岳バットレスがきれいだった。残置が多く自分らでハーケンなどは打たなかった。さらにbガリーをつめていくと登りすぎて2尾根のコルまできてしまった。懸垂で50m降りるとちょうどトラバースの踏み跡があった。cガリーをちょっとのぼると銀マットが落ちていた。3年前とばされたG氏のものではないかと噂になった。cガリーのペンキの印からから2ピッチで取り付きまでいったが2ピッチ目はザイルいらないとこだった。4尾根の取り付きにもペンキがあった。 1P目出だしのつるりとしたクラックがいやらしかったがそこをぬけると快適だった。 40mくらい。 2P目ルートが何本かありそうだったがcガリーよりにいく。白い岩のクラックの下まで30mくらい。 3P目白い岩のクラックを直上。35m。 4P目リッジを快適にいく。でかい石をつかむと動いたのであせった。30m。 5P目V級のフェースをフリーでいけたのでうれしかった。リッジの登攀を爽快だった。30m。 6P目ルート図にはマッチ箱のコルに降りていたが難しそう。dガリー側のほうを見ると残置もあったのでこっちに15mくらい懸垂。 7P目マッチ箱のコルまで登る。15m。 8P目リッジを直上。ルート図によるとV級。別なルート図によると途中リッジを左から巻くとV級、直登するとX級となっていた。むずかしいと思った。枯れ木テラスまで35m。 9P目傾斜のゆるくなったところまで。出だしがいやらかった。20m。勝利のいっぷくをする。 登攀が終わったところから20分で北岳。山頂でのんびりしたあとひたすらくだる。 8月30日 3:30 起床 9:20 北沢峠着 5:00 出発 16:00 回駒ケ岳 7:30 広河原着 18:00八合目 ひたすら下ってまた登る。荷物が重く八合目までつかないかもしれないということでこの日もデポ。やはり矢内さんにも荷物を持ってきてもらうべきだった。へろへろになって八合目についたが黒戸尾根から上ってきているはずの矢内さんがきていない。香川さんが七丈小屋に水汲みに行って帰ってきてもまだこない。もう今日はこないだろうと思ってめしを全部食ったら23時ごろサンダルでひょことあらわれた。 9月1日(日) 晴れ 【デポ回収と取り付き下見】 5:00 起床 19:00 就寝 6:00 出発 昨日のデポ回収に真人と矢内さんが、水汲みと取り付きへの下見に香川が行く。デポ回収は問題なく終了。水汲みは晴天続きなので七丈小屋へ。 取り付きは3分の2くらいまで降りて切り上げる。(どんどん高度を下げていくので帰りのことを思うと下れなくなった。)初見参のパーティーは下見をしておいたほうがいいだろう。後は近くの岩でキャメロットをセットしながらの人工の練習をして寝た。(香川) 9月2日(月) 晴れ 【Aフランケ赤蜘蛛ルート登攀】 3:30 起床 12:30 大テラス 4:45 出発 22:00 Aフランケ頭の岩小屋 6:00 取り付き 24:00就寝 6:50 登攀開始 朝が白んでくるのを待って出発。取り付きまで、大岩の間をぬうところで少し間違うも、あとは順調。取り付きから仰ぎ見るAフランケの壮大さはすごい。迫力に押されてかどうかは知らんが真人が腹を下し、キジ場から戻ってくると、キャメにお土産をつけてきた。(一同爆笑。) 1から4ピッチ目までは香川がトップ、5から最後のピッチまでは真人がリード、矢内さんは明日のBフランケにぶつける(!)ということでスタート。1ピッチ目は単調な人工で問題なし。2ピッチ目はなるほど、すばらしいクラックが走っている(5級)。ギアがなくなったので途中できる。このあたりのクラックには、キャメの0.5番から2番前後を5から6本使う。 3ピッチ目は出だしから香川、スリップ。冷や汗をかく。左壁がツルツルでスメアがきかない、強引にクラックに足をねじ込んで突破。5ピッチ目のV字ハングの乗越しもハイライトだ。弱点である左方から抜け出し、次は右のうすかぶりのハングをいく。V字ハングの乗り越すところはランニングを長めに取るよう注意したい。 大テラスでトップを真人と交代。5級の凹角とあるが、5級もはない。7、8ピッチ目は恐竜カンテ前後の人口をキャメの人工交じりで越えて行くハイライトのピッチ。技術的にもキャメロットをセットしての人工で難しいが、それにも増して高度感、迫力がすごい。そこを真人が着実にリードしていく。「ジッヘル解除―。」の声に、少し感動を覚えた俺であった・・・。 このころから夕暮れが迫ってくる。人工で荷重のかかったキャメの回収にとまどったりして、8ピッチ目の終了点に3人集まったころにはヘッ電を出さざるを得なかった。次で終了と思い9ピッチ目を行ったが、ルートを間違い引き返したり、10ピッチ目の樹林まじりの部分が長かったりで、頭の岩小屋で登攀終了したのは、10時頃だった。その後焚き火をして、水をがぶ飲みして寝た。明日継続する予定のBフランケは今日の登攀スピードと疲労とを考慮して、取りやめにした。(香川) 9月3日 (火) 晴れ 【下山】 5:00起床 7:00 出発 14:30 竹宇駒ケ岳神社下山 黒戸尾根を下る。長くて岩場の多い立派な尾根であった。(香川) 雑感 理学部 生命科学科 3年 竹之 内真人 北岳のほうはフリーで変化に富んだ面白いルートだったが甲斐駒のほうは人工が多くうんざりしたが残置も岩も思ったよりしっかりしていたよかった。人工になれてなく時間と体力を消耗してしまって準備不足を痛感した。夜間登攀はかなりあせった。アルパインはスピードも大事なのがよくわかった。無事下山すると楽しかったと感想が変わってしまうところが恐ろしい。 教育学部 教育学科 4年 香川 浩士 今回は合宿に望む時点での反省がすべてである。今年は就職試験が7、8月にあり、それがこの夏のメインであった。よって第四尾根のレベルなら、適度な練習と経験で対応できたが、Aフランケに関しては練習量・モチベーションとルートの難易度のバランスがとれていなかった。あと、Aフランケ、Bフランケ1本で来ていた矢内さんに対して、不本意な登攀になったことをお詫びしたい。 印象に残ったことは降るような星空と、ザイル仲間と過ごした楽しくまた苦しい時間であった。あと、恐竜カンテ前後の核心をリードしていく真人を見て、「もうこいつに任せていいな」と思った山行であった。毎度のことながら、矢内さん、真人、ありがとう。 大阪大学院 医学部 微生物病院研究所ウイルス免疫分野 1年 矢内英之 自分は、1度もリードすることなく、下ネタ連発で笑いをリードしただけでした。なお、Aフランケをリードしていく香川と真人には、頼もしさを感じました。(代筆;香川) アブミを落とす失態を今年もしてしまいました。ごめんなさい。カレー残しとけよなおまえら。(代筆;竹之内) 反省 ・ 人工登攀のスピードアップ・練習が必要。 ・ 人工登攀時のランニングビレーの無駄を省く。 ・ 大テラスでリードを交代した時点で日没になることが予測できたはず。その時点でリードを矢内さんにするとか登攀スピードを上げようということをパーティー内で共有するべきだった。 |