家電バーゲン
放射能測定器
避難リュック
本のバーゲン

山行名 2001年度 夏山岩登り合宿(北アルプス剣岳)
山行日 8月27日(月)〜9月3日(月)
メンバー L、香川浩士(4)、矢内英之(6)

行動記録

8月27日(月)
 晴れ時々曇り

 首をキリンのように長くして待っていた矢内さんが、夕方、剣沢にやってきた。日ごろからルーズな2人が予定どおりに会えたのも、うれしい誤算だ。夜、文登研に行っている耕太郎がきて話をしていく。なかなか充実しているようだった


8月28日(火) 晴れ

起床(5:30)−出発(8:00)−別山の岩場で練習(11:00)−帰幕(16:00)

 今日は別山の岩場で足慣らし。定着での受け渡しがうまくいかず、矢内さんのエイトカンがない状態だったので、別山の岩場にいる耕太郎に借りに行く。耕太郎たちが下山し始めたので、その後ろからついていく。行軍をとめるのも悪いなと思い、次の休憩で声をかけようと思い、後ろから黙ってついていくが、それが3,40分続き、俺たちは『山岳ストーカー』を演じてしまった。

 別山に戻って登攀の練習。無理やり『奥壁』を見つけ、突っ込むが、でかい落石を受け、新品のザイルに傷がつく。明日は大丈夫か?


8月29日(水) 晴れ

起床(3:00)−出発(4:00)−源次郎T峰平蔵側下部中央ルンゼ登攀開始(6:15)−中央バンド(9:30)源次郎T峰平蔵側上部成城大ルート登攀開始(10:30)−登登攀終了(14:00)−剣岳(16:10)−BC着(18:15)

 「写真で見たBig wall climber といっしょだ。」と自嘲する重装備ぶりでスタート。心配したラントクルフトの処理はぜんぜん難しくなく助かる。Tピッチ目、香川リード、アンカーは、残置ハーケンなどがほとんどなく、自分たちで作っていく。2ピッチ目、矢内さんリード。 (以降、つるべでいく) ここはぬれていていやな感じ。3,ピッチ目は、中央ルンゼを忠実に進む。途中、ガレ場を歩く個所もあった。4ピッチ目、少し左上し、ルンゼも開けてきた。5ピッチ目、左上 。ここでザイルを解いて、高度差にして、100メートルほど中央バンドに向かって進む。水はルンゼ内にたまっていたが、少量。当てにしないほうがよい。

 上部、成城大ルートの取付きは、壁の幅が広く一見わかりにくいが、大カンテと、その左側。凹角はよく見るとわかる。残置ピトンも2,3個あって、薄い踏み跡もある。

 Tピッチ目、香川リード。凹角を行くが、もろい。2ピッチ目、矢内さんリード。短めで切る。3ピッチ目、香川リード。だんだん難しくなってきた(4級)。4ピッチ目以降の核心部は、すべて矢内さんリード。『いやな人工トラバース』のこのピッチ、ルートは複雑に屈曲していく。ここで、あの大量のギアが役立つ。ルートは、壁の弱点を巧みに突いて伸びている。途中、ボルトラダーのダイレクトルートと交錯する。「よう行くわあんなとこ・・・」 

 ギアがなくなったので、短めにピッチを切る。狭いレッジでビレー中は足が痛い。ハイマツ帯に到達、少し進んで再び岩が出てきたところで終了。そこからT峰に抜けるハイマツ帯も意外とやらしく気が抜けない。源次郎尾根に出たら、そこは一般縦走路のようだった。高距600メートルの壁を登ったのは初めてで、大きな安心感と、疲労感が僕を襲った・・・。

(ここまで、文責;香川)

8月30日(木) 雨   

沈澱 

 昨日の疲れをゆっくり癒す。


8月31日(金) 天気 雨

沈殿

 昨日の沈殿は明らかにミスだ。昨日の沈殿のせいで結局R4は登攀できずじまいとなる。


9月1日(土) 天気 晴れ 【剣沢BC〜別山尾根〜三の窓】

起床(4:00)−出発5:50−前剣7:20−剣岳8:30−三の窓11:00

 軽い。なんせ登攀具を本峰にデポしてたんだから。三の窓には意外にもテントが既に2張あった。ベストポジションを得られず残念。池ノ谷側に整地して張る。不必要な沈殿がなかったら今日は登攀だったんだが・・・。


9月2日(日) 天気 晴れ

【三の窓〜R2〜αルンゼ〜池ノ谷中央壁成城大ルート〜剣尾根上半〜三の窓】

起床(2:30)−出発(4:05)−R2(5:10)−コルB(5:40)−中央壁登攀(7:15)−終了点(15:50)−長次郎の頭(16:50)−三の窓(17:50)

 本来はR4から継続する予定だったが今までの登攀スピードを考えて中央壁1本に絞った。R2はようわからんかったがシュリンゲが流出していたのでなんとなくわかった。上部はもろくて香川に落石を落としてしまった。距離を縮めるべきだったか。R2自体ゴミ。αルンゼは落石の宝庫でした。懸垂下降2回したが、一回ですんだな。下降をするにしたがって見慣れぬ世界がひろがってくる。全盛期は人がわんさかいたんだろうなー。取付きはすぐにわかった。1ピッチ目は矢内リード。日本の岩場には残置ハーケンが豊富と書いてあるが、ほとんど腐っているので、自分でハーケンを打ってのネイリングとなる。人工からフリーにはいるところが、何ケ所かある。1ピッチ目のハングでアングルが欲しかったが使い切ってしまっていて乗越すのに苦労した。ここでアブミ墜死。はうあー。まあええやろー。小便したかったがジッヘル中に30%もらしてしまった。セカンドの香川はハングでもがいていた。うははーもがけもがけ。2ピッチ目はひたすら人工。タイオフ飽きた。ここで俺のキャメラ墜死。ガーン。30〜40年もののボルトは恐いなあ。リングが欠損したものはなかった。レッジでピッチを切る。アンカーにペツルのボルトを打足した。次のピッチは香川にまかせた。ペツルボルトがアンカーだから思いきりぶっ飛んでもええぞー。そして、香川みごとに、ダイブ寸前のスリップ。頼むから冗談はやめてくれ。3ピッチ目は本と違っておもくそ人工やんけ。ライン違うんかいなー。それとも下手なだけか?4ピッチ目はリッペを越してのフリーだがリスがあったのでハーケンを打っての人工。だが3本くらい打つとすぐフリーに戻れた。かぶりぎみの凹角を越えるとこが楽しかった。ひたすらアブミやったもんなー。5ピッチ目は香川リード。ハイ松帯手前の凹角が草付で、もろくて渋かった。あとはさくさく進んでピナクルからクライムダウンして剣尾根の上部に出た。えらく時間かかったなあ。アウトバーンはやはりいいわい。今日はとても濃密な1日だった。人がいないのでおすすめです。

9月3日(月)  天気 曇りのち雨  【三の窓〜早月尾根下山(矢内)】

起床(4:30)−出発(7:30)−剣岳(9:30)−早月小屋(12:20)−馬場島(16:00)

 あと予備日が2日あるけど今日から天気が下り坂であることとR4登攀中に急に雨が降られてもエスケープにも問題があるので、話し合って下山することにする。本峰に着いて休憩中に雨がぽつりぽつりと降ってきた。香川は別山所根経由で帰る。分岐で香川と別れる。岩が濡れていて滑りやすいなあ。小屋に着いたがスモーク切れ。ジャンキーにはつらい。馬場島で軟派にタクシー。上市鉱泉に入る。富山で『たっちゃん』により例のごとくトンカツを食べる。主人に本を頂きました。意外だった。そういえば毎年独りぼっちで通っているもんなあ。孤独・・・・・・。ククククッ。

(文責 矢内)

雑感

農学部 獣医学科6年 矢内英之
 卒論を頑張ったわりに結果がでず、失意のうちに出発。剣沢であった香川は意外に元気だった。後で聞いた話だったが、だれまくっていたとか。別山での登攀はつまんないし、ザイルもやられてもうた。足慣らしにもならんで。山勘が全然もどってこんかった。源治郎T峰のトラバースは一言でいうとヒィィィィィィィィィィィィィィィー。素晴らしい高度感だった。中央壁はよかったなあ。人のいない静かな登攀を満喫できた。両壁共に、今までのとは雰囲気が違っていて、緊張感があり、内容も充実していた。もっもしや壁にのまれていたのか?1年の頃なんとなしに見ていた剣岳の岩場に載っていたルートを登攀するパートナー香川を得ることができ自分は幸せだった。
来年は海外に登攀に行きたいなあ。いろいろ行きたいとこがあるけど卒業だー。来年も誰かパートナーになってくれええええええええええええ。


教育学部4年 香川浩士
 
今回の岩合宿は、技術的にもスケール的にも、剣岳では、最難のルートを登った。登攀に臨む前は、「岩を楽しむ」というような意識はなく、ただ、「生きてベースキャンプに帰ってくる」という気持ちでいっぱいだった気がする。特に、池ノ谷中央壁は、ヤバかった。取付きに行くまでのR2、アルファールンゼは問題ないと思っていたが、もろく、かつ浮石も多く、非常に嫌なところであった。壁自体は、一見、コンクリートの巨大な建造物のようであり、すごい迫力を持っていた。登攀中、ビレーしながら、無意識のうちに般若心経の一説を唱えていた自分に、1人で、『オイオイ』と突っ込みを入れていたもんだ。

 とにかく、無事帰ってこれてよかった。矢内さん、ありがとう。卒業しても、あんたは岩登りの分野で、さらに先へと進んでいくだろう。どうか気をつけて!今までいっしょにやった山行は、どれも厳しかったけど、思い出に残るものが多かった。今年の冬、春、がんばりましょうや! 


TOP